特別鼎談:
長塚圭史×落合陽一×シライケイタ
「社会と芸術」

インタビュー

落合 これは、さっきAIが書いた文章を元に描いた絵ですけど。AIが書いた文章を分節化して、その文節から絵を描かせて、辻褄が合いそうな絵だけを拾ってくるっていう作業をしてあげると、それだけでロードムービーが作れそうじゃないですか?

長塚 落合さんの中で、アーティストっていうのは、今後どうなっていくんだろう?

落合 料理人かお膳立てをする人だと思いますね。(共有画面に戻って)これは音楽生成AIなんですけど、150秒と指示して再生ボタンを押すとAIが音楽を作り始めます。注目すべき所は、150秒の曲を15秒ぐらいで作るんです。人類って何だったんだろうな?って思うことが結構あって・・・(出来た曲を3人で聞きながら)ほら、ちゃんとした曲を作るんですよ。

長塚 え?これ、話している間に3曲も出来たって事?

落合 今、4曲目も出来ましたね。全部の曲を聞き終わる前に次の曲が完成するから、全部を聞く事が出来ないんですよ。この動きって、明らかに今までと違いますよね?

長塚 違うねぇ。

落合 今までだったら、1曲目を考え始めたぐらいですよね?再生を始めてから1分25秒しか経ってないのに、1分30秒の曲が7曲手に入ってる。

シライ なんて言うテーマを入れていたんですか?

落合 「アジアン・パーカッション・トラディショナル・太鼓」とかって書いてあります。サントラだったらある程度はこういう感じで良いかなと。言葉を打てればいいから、音も言葉で作っているし、言葉から言葉への変換も作っているので、真髄に近いなって思います。

長塚 本人が、作られた文章を評価する時間ってあるじゃない?

落合 評価をどれだけ早く・もしくはどう展開するのかを考えることが出来るのか?が、一番のポイントです。且つその評価する時間を効率化するための技術を、我々の研究室で研究しています。出来た写真を効率的に評価して、人間が決めやすい方法があると更に高速で作る事が出来る。コンテンツの生成速度を人類は振り切ると思います。
今まで芥川龍之介が生涯でこれだけの数の作品を書きましたっていう時代から、小学生が200本を一時間で書きました。という事になるので、その中から物凄い作品は生まれてくると思うんですよ。

長塚 ただ、それ見つけられない可能性もある。

落合 そうです。こんなに世の中にとって、作る事が簡単になってしまうと見つけられない可能性がある。

シライ それは、現在のAIには出来ない?

落合 AIに、それをさせるシステムを作っていくのが重要なので近頃は研究しています。

長塚 人間っていらなくなる?

落合 まぁ、お金を払えるのは人間だけなので必要だと思います。僕はロボットにお金を払わせれば良いって、昔から言ってるんです。価値が高いと人が思ったものに経済効果があるとされるので。
ただ、料理みたいになっちゃう可能性はかなり高いですね。誰でも卵かけご飯は作れるから、卵かけご飯みたいな脚本は誰でも書ける。ただそこにトリュフをかけるか?トリュフをどこで見つけてくるか?みたいな事がポイントになってしまう可能性が高いなって思っていて、作曲家は、敵がかなり増えるから困ると思うし、イラストレーターは殆ど失業するかもしれないレベル。でも、AIを使いこなせるイラストレーターは最強で、一日に1000枚でも2000枚でも作る。

長塚 落合さんがいて、驚いているケイタさんもいて、今のこの事象に対峙している人間として、僕らは何を描けるか?っていう所も追い越されそうだね。

落合 それも凄くおもしろくないですか?コンテクストとして楽しめれば、楽しいはずなんです。それにこれは、追い越すか?追い越せないのか?より、エンジョイするか?しないか?の議論だなって思っています。

シライ すげぇ面白くて、聞けてよかったぁ。

長塚 ついてるよ。こんな話を聞けて。

シライ それでも僕たちは、亀の歩みで進んでいくのか?問われているっていう事かなぁ。

落合 そうですね。乗るなら早めに乗った方がいいし、乗らないなら突き詰めていった方がいいと思うし。

シライ どっちかだなぁ。本当に。

落合 今、よくこれで遊んでいるんですけど。ZOOMのスクショを撮って、バリエーションを作るんです。これはOpenAIのDalle2ですね。

シライ 何を作れって指示を出しているんですか?

落合 シライさんのバリエーションを何人か作ってくださいって。シライさんみたいな、シライさんじゃない人を作ってくださいって指示を出したので、間もなくシライさんじゃない人がいっぱい出来ます。

シライ (爆笑)なるほど、なるほど。

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