フェニックス・プロジェクトについて
2011年3月11日に起きた東日本大震災後に被災地の協会員と連絡を取り合う中で、《 共に話し合い、考え合う場を創って欲しい 》という要請が強くありました。また《 被災地の舞台芸術家の活動を支援しよう 》という声が各地の協会員から届きました。この二つを主眼として行動を起こす必要を感じ、4月にフェニックス・プロジェクトを立ち上げました。
幸いにも東京の劇場・笹塚ファクトリーのオーナーより、劇場を使って一緒に支援活動をしませんかというご連絡を戴きました。早急に協議を始め、《 被災地の現状を報告してもらう、そして被災地に支援金を送る公演を行う 》、を柱に東京で開催することを決めました。
最初の開催は6月で、続いて7月、8月にも多くの賛同して下さったパフォーマーの皆さんに支えられ、実施しました。マスメディアが伝えない現状を報告して頂き、新聞などで提言しました。直接会うことの大切さを共有することができたように思います。
1995年の阪神淡路大震災で被災した会員からは、ここで起きた問題を風化させないで欲しい、また、再開発の中で貧しい者への支援が後回しにされ、在日の方などマイノリティーの問題が隠蔽された、同じ愚行は食い止めなければならないという強い要望が届きました。
「 風化させない 」ということを実行委員の共有する意志として、協会の自主事業として2012、2013、2014年と課題を検討し続けました。しかし「 風化させない 」を共有し、継続することは容易ではなく、2015年から2017年の3年は経済的、また協会の他の事業に追われたこともあり、やむなく実施を見送りました。
2018年に再開し、2019年と連続して福島の問題に焦点を当てて実施しました。2020年には宮城県で生まれた舞台『 ファミリーツリー 』のリーディング公演の招聘を4月に企画しました。しかし残念ながらコロナ禍により直前で延期としています。10年目を迎える2021年に初めて東北の地で実施することができました。今後は、コロナの問題を含め、これまで実施できていなかった大阪や熊本とも連携し、全国規模での開催をオンラインによって実現したいと考えて協議しています。皆さまのご協力、ご支援を心よりお願い申しあげます。
フェニックス・プロジェクト実行委員一同
実行委員長:大西一郎
実行委員:菅野直子、佐藤茂紀、柏木俊彦、佐川大輔、こむろこうじ、流山児祥、和田喜夫