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坂手洋二氏と片山夏子氏の著作権についてのおしらせ

このたび、日本演出者協会常務理事会は、片山夏子氏の著作『ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録』(朝日新聞出版)から、坂手洋二 作・演出『シアトルのフクシマ・サケ(仮)』(燐光群により2021年11月 座・高円寺1で初演、12月地方公演)への引用・参照問題に関して、片山氏、坂手氏それぞれに聞き取りを行いました。

著作権に関わる法律的問題については片山、坂手両氏の間では、2022年10月の坂手氏の片山氏への「お詫び」、その後12月に両者の示談が成立していることもあり、仔細に立ち入ることは差し控えますが、片山氏の著作は、実在する複数の人物からの匿名取材をもとに書かれたものであり、引用・参照に際して深く配慮しなければならないにもかかわらず、戯曲作者、演出者として坂手氏には、より早期の手続き、十分な配慮が欠けていたと考えます。

戯曲の執筆、またその上演にあたって引用・参照する著作物へのアプローチ、著作権および著作人格権の認識について、作者・演出者・上演団体は、それぞれの責任に於いて意識を向上させ、問題があれば適切に解決することで、より豊かな創造活動を実現すべきです。

日本演出者協会は今後、今回のような事態を招かないために、またこの件で傷ついた信頼関係を修復するためにも、演劇界全体で、現場の当事者と演劇を創造する側との関係について、改めて議論を喚起するための具体的な勉強会などを行っていきたいと考えています。

 以上、当協会の現状認識と今後の取り組みに関して、報告させていただきます。

2023年3月20日
一般社団法人日本演出者協会 理事会

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