三つ子の魂百まで

コラム

先日、大学時代の演劇仲間の同窓会があった。卒業以来の人もかなりいてとても愉快な夜だった。見た目に関しては、とてつもなく変わった人、ほとんど変わってない人、いろいろだったが、中身はみんなまったく変わってなくて可笑しかった。話をすれば当時にタイムスリップしたような感じがしてなんだか不思議な時間だった。いま考えると、この大学時代に演劇に出会ったことがすべての始まりだった。

そもそも僕は大学に入るまで演劇を観たことがなかった。どちらかというとスポーツ少年で小学校から高校までずっと運動部だった。だからってわけじゃないけど、大学に入ったら文化部をやりたいと思っていた。思い描いていたのは映画研究会。なぜなら映画が好きだったから。でも映研には入らず、なぜか演劇サークルに。それが人生の転機になるとは思いもせず。つまり、このときの演劇体験があまりにも楽しく、衝撃的だったからこそ、いまでも演劇沼にはまり続けているんだと思う。

当たり前だけど初体験が感動的であればあるほど、長続きするんだなあと。逆に初体験が残念であればあるほど続かないんだなあとも。僕たちは「演劇初心者に演劇の魅力を伝えたい。そしてできれば演劇を好きになってもらいたい」と思って活動しているが、彼らの立場で考えたら、絶対に残念な思いをさせちゃいけないなと。演劇を嫌いになってほしくないから。そんなことを考えさせられた夜だった。

中村ノブアキ

演劇仲間の同窓会(2023年9月)

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